Home

モトグッチ移転問題 <2>

イタリア本国では、モトグッチの工場移転問題が話題になっていますが、今回は数年前の全ての会社移転の話と違い生産効率を上げる為に各部門をピアッジオグループ内で配置しなおす事と理解しています。

確かに10年ほど前は、年間生産台数が2,000台以下まで落ち込んだモトグッチが昨年(’07年)は10,000台以上まで回復しました、マンデッロの工場を知る者としては常識的に考えれば到底これ以上の生産台数を伸ばすのは無理だと推測できます。日本と違い昼夜交代での稼動などしませんイタリア人は(笑)。

配置転換が実施されれば、マンデッロは部品生産とエンジン組立工場としてシステムを変えられると考えられます。
ピアッジオのポンテデラ工場はべスパスクーター関連を生産していて、1980年当時からホンダと肩を並べるような最新のコンベア式の生産工場でした、その工場でモトグッチがラインオフされると複雑な気持ちです。

歴史あるモトグッチは歴史ある創業地マンデッロの工場で生産され、決して大きくないあの赤い鉄の扉からトラックに載せられてデリバリーされるのが似合っているなどと思うのはノスタルジーでしょうかね。

1200cc_8valve_37.jpg

ただ心配なのは、”モトグッチの旧経営陣”は「個性の強いモトグッチは世界中で10,000台も売れるとは思えない」と言っていました。当時は大量に販売出来なくてもモトグッチが考えるモトグッチらしい個性の強いモトグッチを造る為に、生産台数を伸ばすよりも甘んじて自分たちが考えるモトグッチを造り続けてきました。
しかし、経営トップが代わった今、今後のモトグッチがアイデンティティーを貫けて他のモーターサイクルとは一線を画したものを造りだしていけるのか少し気がかりです。
デ・トマソがオーナーだった頃モトグッチのラインナップに日本車と同じような4気筒車や小排気量車がありましたが販売戦略上は失敗となりそれ以降じりじりと生産台数が落ち込んできました。
新経営陣がモトグッチの個性を考えたモデルを今後発表してくれる事を願うばかりです。

今、私は楽観的に考えています、それの証に1200cc8バルブのニューエンジンではあの分厚いカウンターウエイトを持ったクランクシャフトは健在でしたから。そして、現経営陣が歴史と個性を重んじるイタリア人だからです。

どこの工場で生産されようとモトグッチはモトグッチなのですから。
しかし、マンデッロの工場からモトグッチが走って出てこなくなるのは大変寂しい。

RIPA-Shiga

モトグッチ移転問題

モトグッチの工場分割・移転計画がピアッジオから発表され、モトチクリズモによれば、マンデッロ・デル・ラーリオの労組は10月14日からストを決行、分割・移転計画に抗議を始めました。
そして20日にレッコで会議が開かれ、各労働者連合の代表・ピアッジオ経営側・地元と移転先の双方の政治家が出席しました。

計画は一部をノアーレ(ヴェネッツイアの近く)のアプリリアの工場へ、一部はポンテデラ(ピサの近く)のピアッジオの工場へ移すというものです。企業再生の名人として有名で、破産したアリタリアの事業受け皿であるイタリア航空の会長をも務めることになったピアッジオ会長ロベルト・コラニーノ氏はマンデッロに工場を残すことには理解を示しているようですが、5つの部門(おそらく開発)の移転には議論の余地はないとしています。

また別の情報によればイタリア国内の有力クラブは公開質問状をピアッジオに出していますが、返答の有無はまだ不明です。

モトチクリズモに掲載されているピアッジオ経営側のコメントは、市場が変化していくなかでモトグッチの競争力を維持するためにはこのような過程が必要であると、またグループ内の施設などを最大限に活用すべきだとしています。
そしてイタリア金属労連・イタリア労働総同盟レッコの書記長マリオ・ベニーニ氏の悲痛なコメントでモトチクリズモの記事は終わっています。(前略)我々は残念ながら厳しい冬を覚悟している。モトグッチのアイデンティティーを守る闘争は厳しく長くなるだろう。我々には皆さんの支援が必要だ。



fabbrica*************

マンデッロに幾度か訪れたことがある身としては工場が分割されることには寂しさを感じますし、縮小による地元経済への影響を懸念します。
そういったことを単にノスタルジアだと片付けられないのは、各メーカー間で性能の平滑化が進んでゆくなかで、趣味性の高い乗り物ゆえ歴史やアイデンティティを無視すればモトグッチ“も”埋没するだけかも知れないからです。

とはいえ経営再生のための効率化は必要で、近年、パーツ細部の仕上げなどがよくなってきたことを見ると良質な生産への進化であれば歓迎しなければなりません




mas
  • -
  • -

GUZZI Tempo <3>

さあそれでは、いよいよモトグッチのエンジンの動きに“1/f ゆらぎ“が存在しているかどうか、突き止めなければなりません。
機械の動きのなかに“1/f ゆらぎ”が発生することはあるのだろうか。“ゆらぐエンジン”・・・・・・・。おっと、ここで「イタ車は不完全な工業製品ゆえに“ゆらぐ”こともあるだろうさ」などと考えた方はいらっしゃいませんか。そういう古色蒼然たる発想しか持ち合わせていない方はまずここからご退席願いましょう(笑)。


manuale

冗談はさておき、エンジン・ゆらぎ・エンジン・ゆらぎ、とこの2点を突き合わせてみたらモトグッチエンジンの2つの気筒は不等間隔燃焼していることに思い当たります。4ストロークエンジンはクランクシャフト2回転でひとつのサイクルを営みます。つまり、クランクシャフトの回転角であらわすと720度になるのです。その燃焼の様子は、まず左のシリンダーが燃焼してから270度回って右シリンダーが燃焼し、一度左シリンダーを通過して450度回ったところで再び左シリンダーが燃焼する。勘違いされませんように、270度ー90度ー270度ー90度ではなく、270度ー450度ー270度ー450度というテンポで燃焼し、クランクシャフトを押し回しています。

並列エンジンの2気筒車・4気筒車・6気筒車やボクサーツインなど規則正しいテンポで燃焼を繰り返すエンジンに対して、新旧モトグッチに共通するエンジン形式、すなわち90度Vツインの不等間隔燃焼が“1/f ゆらぎ”であるなら、乗り手がそこに快感を感じ取っているのではないか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・この想像はとてもエキサイテイングなものだったのですが、冷静に考えればこの不等間隔は“規則正しく不等間隔”なのであって“不規則にゆらぐ”こととは全く異なっていることであり、残念ながら先にあげた“1/f ゆらぎ”の定義のひとつ“発生を完全に予測できない”に当てはまらなかったのです。


fabbrica

困りました。ではモーターサイクルのエンジンに“1/f ゆらぎ”があらわれる可能性は微塵もないのでしょうか。先にあげた他の定義に“大量生産品や機械加工されたものには現れない”というものがあります。ただしこれはおもに生産品の外観を指していると思われます。ならばエンジンの作動のなかで不確実な要素・計算外の動きを探せば“1/f ゆらぎ”に結びつける余地があるのかも知れません。たとえばキャブレターのところで触れたジェットニードルの揺れは不規則な“ゆらぎ”と言えまいか。自然界を形成するもののひとつである“空気”の影響を受けた揺れだからです。そして重力や慣性力の影響を受けたガソリンの動きや、動作する機械に不可欠な“アソビ”の存在などなど。さらには、機械を、モーターサイクルを操るのは生体である人間なのです。アクセルワークに“ゆらぎ”があればエンジンの反応にも“ゆらぎ”が生じる可能性があるかも知れない。

ただしこれらはエンジン全般にいえることであって、またしても残念なことにモトグッチならではの快感発生源とはいえません。乗り物への“1/f ゆらぎ”理論の研究&フィードバックはメーカーにお任せして別の方向からモトグッチだけの“なにか”を再び探さねばなりません。でもここまで考えてきてモーターサイクリストは、人間は、すくなくとも“1/f ゆらぎ”のような微細な“ゆらぎ”を感じ取ることのできる生物なのだということはわかりました。


treno

“1/f ゆらぎ”との関連は見出せなかったものの、不等間隔燃焼をする90度Vツインであるということが新旧モトグッチに共通し、そして他者にない特徴であることには変わりありません。“不等間隔”が残されたキーワードになってきました。そこで生活のうちに不等間隔のリズムを探してみたのですが、これが意外とないものなんです。
踏み切り、“カン・カン・カン・カン”
脈拍、“トク・トク・トク・トク”
ウィンカー、“カチ・カチ・カチ・カチ”
あ、ウィンカーの作動が不等間隔だというあなたのモトグッチはリレーと電球が合っていませんよ(笑)

さて、モトグッチエンジンの脈動は音にするとどんな感じになるのでしょう。等間隔なら“360度ー360度ー360度ー360度”で“タン・タン・タン・タン”。“270度ー450度ー270度ー450度ー270度ー450度”ならば“タッタン・タッタン・タッタン”くらいでしょうか。「タッタン・タッタン・タッタン」と、口に出してみると・・・・・・・・・・・ひとつこれに似た音の存在に気づきました。


cuore

それは、心音です。
不等間隔で刻む心音のテンポ。これはどんなリズムなのか調べていたら面白いことがわかったのです。がその前に、脈拍は“トク・トク・トク・トク”なのに心音は“タッタン・タッタン・タッタン・タッタン”。心音は何の音なのか知っておかねばなりません。

心音はよく“ドックン”とも書かれますね。“タッタン”よりは“ドックン”のほうがイメージしやすいでしょう。さて“ドックン”は“ドッ”と“クン”の2つの音に分離されます。“ドッ”を飢擦函◆肇ン”を恐擦箸いい泙后飢擦録澗,亮縮が始まって動脈に血液が送り出されると同時に房室弁(心臓への入り口の弁)が閉まる音で、恐擦録澗,亮縮が終わって動脈弁(心臓からの出口の弁)が閉まる音なのです。このあと再び血液を房室弁から吸い込むために心臓の拡張が始まります。それで、飢擦鉢恐擦里△い世鮗縮期、恐擦鉢飢擦里△い世魍板ゴと呼びます。


guzzi

モトグッチの不等間隔燃焼に似ている心音のリズム。でも似ているといってもどれだけ似ているのか、それを目に見える数字の形にできるのだろうか。つまり収縮期と拡張期の比率がわかればありがたいと思っていたのですが、数値化の心配は杞憂に過ぎず、その答えは割りとあっさりと収縮期が約0.3秒、拡張期が約0.5秒、とわかったのです。これは心臓周期が約0.8秒である成人の平常脈拍時の数値です。ちなみに脈拍が速くなってゆくときは、収縮期はあまり短くならず拡張期が徐々に短くなってゆきます。

0.3秒と0.5秒、3:5の比率。
モトグッチの左右シリンダーの燃焼間隔270度と450度、は・・・・・・・3:5

なんと人間の心音と90度Vツインエンジンの脈動は同じタイミングだったのです。赤ん坊は母親の心音を聞くと安らぐときいたことがあります。ならば、心音と同じテンポのモトグッチ・エンジンこそが快感発生源だと考えられないでしょうか。



(続く 3/4) mas

  • -
  • -

もしものときのために

皆さんは自身が交通事故を起こしたあとの治療のことを考えたことがありますか?

警察や救急が到着し、怪我をしていれば現場検証もそこそこに救急病院へと搬送されるでしょう。ほとんどの場合本人希望の病院に向かうということもなく、救急隊員の方の判断で適宜選んで要請してくださった受け入れ病院に向かうことになります。

もし万が一、脳挫傷や内臓損傷など待ったなし・意識なしの状態になってしまっていたら、可能な限り高度な設備と技術を持つ病院に効率よくタイミングよく搬送されることを祈るしかありません。
逆に打ち身と擦り傷程度なら、治療後は管轄警察署に出向いて調書作成など事故処理を済ませ、再び現場で愛車の憐れな姿に打ちのめされることもあるかもしれません。それでも翌朝は自宅のベッドで筋肉痛に耐えながら起きることができるのです。

あとは骨折など・・・・・
今回こんなことを書いていますのは、骨折・外傷などの外科治療において、治療方法・判断によってはその後の生活・社会復帰のレベルに差が出る場合もあるからなのです。同じ症例を診ても「とても複雑困難なのでせめて少しは動かせるようにしましょう」「これは困難を伴うけど最終的にはかなりな可動範囲を得られそうだ」などと。
ただしこれは前者を不可、後者を可と言ってるのではありません。でもなるべくならば元のカラダに戻りたいはずです。


Image2.jpg

事故のとき重い怪我を負いやすいライダーが、急場でもあり高度な外科治療の情報を得にくいことに気づかれて医療情報サイトを立ち上げたのが、デザイン事務所ライズ・プロダクション代表の佐藤さんです。ライダーズ・メデイカル・インフォメーション・ジャパンというサイトで医療機関を得意分野別にリスト化されています。

一度は自分に関係のありそうなエリアをチェックしてみて、ブックマークしておかれることをお勧めします。さらに、もしものときは自分自身はパソコンを開けないので、ご家族や近い方にブックマークしておいてもらうことも大切です。

このサイトが役に立たないほうがよいのですけど、また活用するかしないかはそれぞれのご判断だとして、何も知らずにあとで後悔されるよりは選択肢を携えておくことは決して無駄ではないと思います。

mas
  • -
  • -

GUZZI Tempo <2>

仕事中流しっぱなしにしてあるラジオ文化放送の午前の番組で“えふぶんのいちゆらぎ”という耳慣れない言葉が聞こえてきて、最初はいったい何の話をしているのやらちんぷんかんぷんでした。


fuoco

その放送での内容は、注意して聞き始めたところから覚えている範囲でごくごく簡単に記すと「星のまたたき・火のゆらめきなど自然物のなかに“えふぶんのいちゆらぎ”が現れていて、人間(生物)はそのゆらぎがあるゆえにまたたき・ゆらめきを心地よく感じる。江戸小紋の模様も型を作る際に人間が引いた線には“えふぶんのいちゆらぎ”が現れているが定規や機械で引いた線にはそれが無く、見比べれば同じ柄でありながら人間が作ったもののほうに温かみを感じる。」というものだったのです。人間が心地よく感じる“ゆらぎ”なら・・・・・・モトグッチが隠し持つ楽しさの源にこの“ゆらぎ”が関わってはいまいだろうか。そう考えるようになったのです。

さてこの“1/f ゆらぎ”(えふぶんのいちゆらぎ)とは新しい言葉ではなく草分けであられる武者利光東京工業大学名誉教授が何十年も以前から研究されている現象なのです。以下に“1/f ゆらぎ”についていくつか箇条書きで記します。

*“1/f ”という法則を持つゆらぎが発見された
*“1/f ”とは振幅と周波数(frequency)が反比例しているということ
*生体の脳波から天体の運行まで自然界に普遍的に存在する
*発生のメカニズムは未解明でまた完全に予測はできない

*生体は人間に限らず動植物も“1/f ゆらぎ”に快適感を感じる
*手作りのものや音楽や声には“1/f ゆらぎ”が現れている
*大量生産品や機械加工されたものに“1/f ゆらぎ”は現れない
*街づくりや商品などに“1/f ゆらぎ”理論を生かすことが進んでいる

“1/f ゆらぎ”の特性、今まで確認できていること、いかにして測定&数値化しているかなど、調べていくと難しいながらも面白い話で溢れているのですが、素人が生半可に説明できないので、「なぜ」「どうやって」は置いておいて存在と効果について「そういうものなんだな」と認識だけしてください。なお効果について先の江戸小紋の例からの発展で連想してみるなら、CGアニメーションと手書きアニメーションの差を思い浮かべます。生き物を描いたとき、精巧で立体的に表現できるCGはリアルなのに冷たく、むしろ平面的でマンガ的な手書きアニメのほうが描かれているものの表情が生きて見えませんか。それにしても、プロがフリーハンドで引く線は素人には真似のできないほど真っ直ぐなのに、定規で引いた線と比べてみればやはり違うというところが面白い。相当に直線であるのに正確にはまだ直線ではなくて、見れば違いがある・・・・・・でもなんとなくわかります。“味”があるといいますか。私たちはよく「味がある」という表現をしますが、ひょっとするとその“味”というのは“1/f ゆらぎ”を指していたのかも知れません。


carburatore

“味”という表現はシチュエーションによって微妙にニュアンスが異なるとしても、ここまで使ってきた“面白さ” “楽しさ”に置き換えてよいでしょう。先の新旧モデルの話でも「面白い面白くないってなにが」と問われても漠として答えを絞りにくいかも知れませんが、“味”というキーワードを加えれば表現に具体性が出てきて、モーターサイクリスト同士でよく交わされるフレーズが思い出されます。たとえばですが、「スポークホイールには味がある」「空冷エンジンは味がある」「キャブレター車は味がある」など。そう、今まで話を進めてきて「キャブレターには味があるけどインジェクションには味が無いなあ」と連想を進めた方は多くいらっしゃるかもしれません。この稿は新旧を問わずモトグッチが発している楽しさを探し求めているのでキャブレターとインジェクションの差を論じる必要はないのですが、いずれ機械であるモトグッチに“ゆらぎ”があるのかという部分を考えてゆくのにヒントになるかもしれず、また「キャブレター車が好き」という言葉はメーカー問わず聞かれるセリフでもあるので、この“味”という曖昧でありながら皆が好きな表現にちょっぴりメスを入れておくのも必要なことかもしれません。

「キャブレター車のほうが好き」。これは電子制御化が進んでゆくなかで、もともと機械好きなモーターサイクリスト達の郷愁だと簡単に片付けるわけにはいかないでしょう。キャブレターには味がある、キャブレターのほうがクセがあって面白い、と言うだけの違いがインジェクションとの間にあるはずです。2者の乗り味の違いを単純に考えれば、それはスムーズさだと言えるでしょう。もっともモトグッチで言えばキャブレター車であった旧ルマン・シリーズと現行モデル達との間には20年近くの歳月が流れているので、インジェクション車の走りがスムーズでエンジンの反応が素早いといっても、それは燃料供給以外にもフライホイールやクランクシャフトが軽量化されているうえにピストン等を含めたバランシングも精度があげられているであろうことなど、一点を原因として語れない要素が存在します。細かい仕様変更など、メーカーは数値発表などせずに黙っていろんなことをやっていてユーザーが気づかぬうちに改良されているものなのです。そのあたりを一応確認しておいて、話をキャブレターとインジェクションに戻します。


fabbrica

四輪車に比べれば少しお粗末なモーターサイクルのインジェクション・システムですが、それでも細やかなマッピングでキャブレターでは実現できない燃料調整をしているのですから、スムーズでないわけがありません。ただ残念ながら排ガス規制に縛られているのでスムーズなだけでなく、乗り味としてはおとなしめなものにならざるを得ないようです。ちなみにモトグッチの場合は空冷2バルブで気筒あたりの排気量は500cc超なのです。ガスを絞ったために起こる力不足は排気量のアップで補いたい。かといってボアの広がった燃焼室内で不完全燃焼が起きれば排ガスも汚れるのです。そんなモトグッチが厳しいユーロ3規格をクリアしていることでも基本設計の卓抜さが知れるところです。

そしてインジェクションに比べてキャブレターの場合は、アトマイザーの通路の面積とジェットニードルの断面積の差、つまり2者の隙間を変化させることによってガソリンの流量をコントロールしているわけですが、エンジンによっては、いくつか用意されているジェットニードルの形状ではカバーし切れないトルクカーブのよどみができてしまったり、加速時には加速ポンプなど補助装置があるものの走行状況によっては補正しきれない苦しい場面も生じてしまったり。そして、吸入空気の方はスロットルバルブの底辺の形状からどうしても半円の形でベンチュリーの面積を増減させるしかありませんので、そこで乱流が生じて、また変化する負圧のなかでジェットニードルが揺さぶられたりすれば燃調も計算外の影響を受けはしまいか。結局のところ、そういった微細な変化が生じたときに乗り手は雑味を感じ取ってキャブレターの味わいとして表現するかも知れませんし、トルクカーブの凹凸をエンジンのクセとして面白みに感じているのでしょう。


x005.jpg

“味”の話ついでに再び脱線を許してもらって書かずにはいられないのが、“味”と“不調”を混同される方の存在です。たとえば左右のシリンダーの同調が狂っていると加速初期の振動が大きく出てそれを“力強さ”もしくは“モトグッチ特有の味”と勘違いされるのです。きちんと動くようになったら「つまらなくなった」と・・・。また、古きイタ車生活の味わいとして“始動困難さ”やら“しじゅうプラグチェック&そうじ”をおっしゃる方もいますが、少なくとも70年代後半以降のモトグッチであるなら、それらは単なる不調のあらわれに他なりません。




(続く 2/4) mas

予想通り---1200Sport 4V

11.jpg

予想通り”1200Sport 4Vに付いて反応がありませんね(笑)
しかし、載せます、キャタライザー内蔵のアルミ合金製サイレンサーです。

RIPA-Shiga
  • -
  • -

公孫樹

ginkgo

東京では銀杏を多く見掛けます。リパラーレの周りでも然りで、今年はやけにたくさんのギンナンが落ちているような気がします。
ここ数日は歩道でギンナンを拾う人があちこちにいるのですが、車道では憐れぺちゃんこ。

このあと黄色い葉が車道の左端を埋めるでしょう。お気をつけくださいね。

いや、現に銀杏の葉で転ぶモトを見たことがあるのですから。
明治通りの内回り、学習院の横をくだる坂でした。坂と銀杏と、不幸にも滑るきっかけになった何かがあったのでしょう。

自分が平気でも、抜こうとしていた自転車が目の前で滑って転ぶかもしれない。

用心用心。

mas

GUZZI Tempo <1>

motoguzzi
 

モトグッチは楽しい。乗っていて楽しくてしょうがない。だからこそ20年も乗り続けているようなグッチスタが周囲にたくさんいて、人それぞれにそれぞれの車歴があってさまざまな思いいれをもってモトグッチに乗っている。でも大きく見て、いったいなにがどう楽しいのだろうかとふと考えることがあります。モーターサイクルの楽しさを言うときに、高速道路をトバす・峠でトバす・オフロードを走る・さわやかな風景の中を走る・日本中を巡る・キャンプツーリングする、などこれらは手段としての楽しさ。ほかには、姿を愛でる・塗装や改造を試みる・磨く・誰かに語る(笑)、など興味の対象または素材としての楽しさもあるでしょう。ただそこにはまだモトグッチでなければならないという理由がないのです。 
 
モトグッチならではの良さってなんだろう。モトグッチに乗っている方のなかからは独特のカタチやメーカーの持つヒストリーに惚れ込んで、ひょっとしたら真っ赤なイタリアンがかっこいいから乗っているんだという声もあがるかもしれませんが、まあここでは乗った上での楽しさという部分にテーマを絞っていきましょう。
 
一般によく言われてきたモトグッチの特徴は低回転でのトルクリアクションや加速時のテールリフト、低速トルクと背中を押すような加速感、それに回転上昇とともに収束してゆく振動など。これらの現象を楽しいというのは、つまりモトグッチが示す特徴に面白みを感じているということでしょう。それぞれエンジン形式・配置とシャフトドライブとフライホイールの重量などから生み出される特徴です。乗ったうえでの楽しさという面では低速トルクや加速感や振動収束はいいとしても、残念ながら他にあげられた車体の挙動については一瞬だけの付随的な現象という印象しか持てません。それに低速トルクに関してもモトグッチのよく語られる特徴のひとつではありますが最大の魅力とはいえず、むしろそれはずるずる走る重ったるいモーターサイクルというイメージを先行させがちです。低回転での使用を前提とするなら高回転時において最もバランスのよい90度Vツインという選択はないのです。それはさておきここで問題となってくるのは、これらの特徴がモデルが新しくなるとともに薄れてきているという点です。


z003.jpg
  

旧型モトグッチ、といっても本当に古いモトグッチは第二次大戦ころから走り続けているので、一応分類をしておかないとまずいでしょう。モトグッチオーナーズクラブのHP記事から近年日本でも一般化した言葉“トンテイ・フレーム”に90度Vツインエンジンを載せたモデル達をおおまかに旧型モトグッチと捉えてください。(1976年から1993年のルマンシリーズなど) その旧型に乗るグッチスタから「新しいモデルは面白くない」という声があがっている。かわって近年のモトグッチに乗り始めたという方に「どうですか」と問うと、「面白い」という返答があってまずはホッとひと安心。他社製のモーターサイクルには無い楽しさがあるというのです。
 
時代は違えどもモトグッチを選んだという点で新旧グッチスタはよく似た趣向・感性・選択眼を持っているはずです。そこで例えばここにSPORT1200があり、これを面白い面白くないと評価が分かれるとしたらそれはなぜなのだろう。もちろん好みというものは単純に分類ができるものではなく、人それぞれに複雑な思いが交わって導き出されるものなのですが、それでもなお、旧型モデルを好むグッチスタの多くが新型に目もくれない傾向は明らかなのです。旧型の各モデルがそれぞれ持っている細分化できる特徴(例えばルマン靴呂匹Δ世箸ルマン1000はこうだとか)についてはこの稿では不問としますが、旧型グッチスタからの「新型車は面白くない」という声はまさに先に書いたモトグッチが持っていた特徴に乏しいからではないかと推測されます。
 
濃い味に慣れてしまったら薄味の食事は味気ないもの。一方、新型グッチスタが「面白い」というのは、特徴の薄いあるいは異なる特徴をもつモーターサイクルから乗り換えたときに感じたのでしょう。(もしそうではなく、生まれて初めて跨ったのがモトグッチで、しかもいきなりウマが合ったのだとすれば、それはとびきり幸運な人生)結局こういった感覚は絶対評価ではなく、自分の体験をベースにした基準との比較が大きな要素になっているはずなのです。
 
いや味付けの濃い新型モトグッチが出れば・・・・・・・・これは言っても仕方のないことで、騒音規制は厳しくなるし排ガス規制も強化され、それらをクリアしてゆくためにますますスムーズでおとなしいエンジン作りが進んでいくでしょう。ならば今後モトグッチは楽しいモーターサイクルではなくなってゆくのか。先に挙げた特徴はさらに薄くなってゆくとして、ではそれ以外に私たちグッチスタを惹きつける何かは存在しないのか。そうでなければ新型グッチスタの皆さんが「モトグッチは楽しい」と語るわけがないのです。


z005.jpg
 

糸口をひとつ見つけました。それは高速道路に。
そう、高速道路での巡航に不思議な、いいようのない楽しさがある。ルマン靴覆匹得意とするレールの上を行くような走りのことを指しているのではなく、追い越し加速や逆にゆとりのある減速時の、フライホイールの慣性に支配されて1拍待たせるようなあの感覚を言っているのでもありません。そもそもそれらは神経の疲労につながらない特徴であっても楽しさと呼べるのかどうか。余談ながら日本車との比較を問われたときに人間に遠いか近いかという表現をすることがあるのですが、まさにこの1拍おいてジワッと始まり徐々に高まってゆく反応こそが人間に近い優しい動きと言えます。なぜなら私たちを取り巻く機械の進歩に比べて、私たち人間自身の性能は古代よりそれほど研ぎ澄まされてきているとは思えないので。

話を戻しますがなにが妙なのかと言うと、高速道路でもコーナーやアップダウンに乏しい平野や盆地などのルートで一定速度のクルージングをするとき、たとえば音楽に救いを求めるでもなく変化の少ない走行を長々と続けられること。よくそのことからモトグッチに乗ると日本が小さくなるなどと言うのですが、それは最高速度が高いからではなく巡航速度が高いまま燃料タンクが空になるか膀胱が満タンになるかまで走り続けることもできるからです。もちろんヘッドカウルの装備などある程度の条件は必要ですけれども。
 
先にふれた疲労しないことは大事な要素ではありますが、多少疲労があったとしても私たちがそれを強く意識するのは飽きたときこそなのです。モトグッチは長距離移動で走りに飽きない。そのことは新旧問わずに言えることです。ここにグッチスタを惹きつけるモトグッチ特有の要素があるのではないか。ただ困ったことに飽きない原因を探すときに新旧モデルでの特徴的共通項はエンジンが90度Vツインであることくらいしか残ってないのです。ただし高速走行では90度Vツインは回転上昇につれ振動を収束させてゆく。すでにトルク変動やツインの鼓動から無縁になりつつある5000rpmから6000rpmへと回っていくエンジンから感じ取ることができる楽しさなんてあるのだろうか・・・・・・・・・そんなことを考えていたある日、ラジオで不思議な言葉を聞いたのです。



(続く 1/4) mas
  • -
  • -

MOTO GUZZI 1200 Sport 4V

1200Sport 4V
MOTO GUZZI から待望の(?)ニューモデルが発表されました。

“Quattrovalvole”.
105CV(PS)/7500rpm
Front Fork Marzocchi 45 mm
Front Brake Double Disc 320 mm
*詳細は後日お知らせします。
  • -
  • -

ごあいさつ

pozzo alto
 
この度は、弊社モトグッチリパラーレのBlogへアクセスしていただきまして、ありがとうございます。
 
このBlogではHome Pageとは別に、日々にわたりモトグッチの整備の事やいろいろなニュースを掲載してまいりますので今後もアクセスしていただきまして、モトグッチリパラーレをご利用いただきます様お願い申し上げます。
 
               代表:志賀太一
  • -
  • -

1/1

Home

Search
Feeds

Page Top