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老兵不調に陥りまして

私のカリフォルニア兇任垢、最近ときどき「君はこんなもんだったっけ?」と感じる瞬間が増えてきていました。定期的な調整を済ませた後でも、それはやっぱり感じられるのでした。
じわじわ進む人間の老化と同様に、機械も使用するにつれ少しづつ少しづつ性能が落ちてゆきます。幸い、機械は調整したり該当パーツを交換すれば治るのですが、それまではまだ故障の一歩手前だったのでなかなか大きな整備には取り掛かれませんでした。



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が、昨年の終わりに右シリンダーのプラグ汚れにより始動困難になることが2度起きました。ちなみにツーリングから帰った状態でしたので左シリンダーのプラグはほどよく焼けています。オイル消費も以前から少し感じていたところですが、いよいよトラブルの領域まできたようです。

「荷馬車」カリフォルニアにはまだまだいろんな場面で働いてもらわねばなりません。ついに重整備に取り掛かることにしました。「モトグッチメンテナンスブック、ISBN : 978-4-88393-281-8」ではご紹介していない作業もありますのでちょっとだけ書いてみます。


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まずシリンダーヘッドをはずした時点で、プラグを汚していた原因がオイル下がりであることがはっきりしました。インテークバルブ側のバルブガイドからオイルを吸っているのでバルブの傘(画像右)が濡れて、付着物が少ない様子がわかります。

うっかり撮影前に掃除してしまいましたが、燃焼室の堆積カーボンもインテークバルブ周辺は湿っていました。ちなみにこのシリーズのエンジンではステムシールを使っていません。このオイル下がり症状を見て慌ててステムシールを装着したりするとバルブガイドとバルブステムが潤滑不足で焼き付きを起こす恐れがあります。ステムシールを付けずにバルブガイドから潤滑用のオイルが入ってゆくのは想定内なのです。バルブガイドとバルブステムの磨耗が進んで想定以上のオイルが燃焼室内に吸い込まれるようになるとオイル下がりという状態になります。


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へッドをはずしてピストンヘッドを見る限り、オイル上がりを起こしてる雰囲気はなかったのですが、すでに11万km手前ですのでシリンダー&ピストンもチェックしました。

シリンダーの磨耗測定はシリンダーゲージを使い、クランクシャフトと同じ方向の上中下と直交方向の上中下の計6箇所を計測します。通常ピストン頂部のあたりがもっとも磨耗します。今回はもっとも減っている部分でも0.005mの差(直径で)でした。さすがはニグジル加工されたグッチのシリンダーです。ニカジルではないですよ!モトグッチ社がパテントを持つNIGUSIL加工です。

ピストンはマイクロメーターで測定。画像のようにアーチの指定箇所をつまむようにして計測します。これはマイクロメーターに体温の影響を与えないためです。スカート部にわずかな傷がありましたがカーボンによるものでしょう。


caloh04.jpg

続いてコンロッドメタル。白っぽく見える部分は新品のころの表面処理のままの箇所。それ以外の黒っぽい部分は磨耗、と言うより当たりが付き始めた状態です。特に2枚の中央部に当たりが多く付いて見えますが、この2枚がピストン側のメタルです。つまり燃焼圧力を受けてクランクピンに強く押さえつけられた痕なのです。「まあ10万km走ってこの程度なら・・・・」という印象です。

ただし上には上がいます。以前、やはり10万kmほど走ったルマン靴世辰燭里任垢、そのエンジンのコンロッドメタルにはほとんど何かに接触した痕跡がありませんでした。常に適切なオイルプレッシャーで走っていた証拠です。
その方に比べれば、私は若干低い回転域を多用してた証しだとも言えます。

タペットの底面も磨耗していました。1つ丸い痕がついていますが、タペットがカム上で回転しながら上下に作動している証拠です。タペットを回転させることによって摩擦を転がりに転化し、異常磨耗することを防いでいます。・・・・であるにもかかわらず、面が荒れているタペットがありますが、これはバルブクリアランスが狭過ぎたときにできたものでしょう。クリアランス不足から油膜切れを起こしていたのです。

第一弾の故障探求、ここまでです。
続きは組み付けのほんの一部をご紹介します。



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