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V65 再生記 <3>

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エンジンに続いてトランスミッションも分解しました。全ベアリングの交換を前提とした分解なのでそこはよいとして、そのほかはたいていの場合何も起きていない部分のはずでしたが・・・・・まさかの1速ドリブンギア(右画像上部のもっとも大きいギア)の錆・腐食を発見しました!!!
 
まあ「開けておいて良かった」ということになります。急遽部品を手配しましたが、なぜかキレイにギア1枚だけのダメージです。走り始めてからミッションケース内で起きた(水分・湿気により)というより、組み込み前に何かしら原因があったのでは?と思わせるものがあります。


 
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続いてはファイナルミッション。
 
ピニオンシャフトをホールドするテーパーローラーベアリングのガタ発生は想定内でしたが(ガタが無くても、ベアリングはもちろん交換予定だったので)、こちらにもまさかの事態!!異常磨耗が起きていました。ピニオンギアにかじったようなキズ、リングギアには妙に滑らかに潰されたような磨耗。
 
これはオイル管理の悪さが原因かと思われます。定期的なオイル交換を怠ったか、不適正なオイルや粗悪なオイルを使っていたか、このまま走れば恐らくヒューンヒューンと唸り音が聞こえるでしょう。・・・・・・と、他人事のように書いていますが、正直これは手痛い出費になりました。
 
整備履歴の見えない中古車を買うときは、内部でこういうことが起きているものだと考えてください。「調子はいいですよ!」と言うセールストークはごく普通に聞きます。ですが、わざわざファイナルミッション内部まで確認してそう言っている業者がそうそういるとは思えませんよね?
 
もちろんリパラーレでも中古車販売時になかなかそこまで(ファイナルミッション分解整備)はいたしません。ただし、それは前オーナーの施した整備履歴がわかっているからであって、定期的な整備をしていれば異常は起きていないと推測できるからなのです。
 
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トランスミッション・ファイナルミッションの分解整備では、ベアリングを抜く作業が発生しますが、これは無理やり叩き出したりせず、ケースを加熱したうえ、必要があればプレスを使用して慎重に抜くことが大切です。
 
ケースはアルミ合金です。幾度もベアリングの出し入れをすれば甘くなっていってしまいます。オートバイの車歴のうち、そう頻繁にやる作業ではありませんが少しでもダメージ(変形など)を防ぐ用心が必要になります。 
 
加熱する効果はなにかと言いますと、鋼鉄のベアリングよりアルミ合金のケースのほうが膨張係数が高いので、その差によって"かんごう"が甘くなって抜き易くなります。ちなみに加熱後は決して急冷せず、緩やかに自然に冷やしてケースにひずみが生じないようにします。


 
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エンジン・トランスミッション・ファイナルミッションを全て分解しました。傷んだ塗装・錆などを落として、ネジ部のロック剤なども落とし、キレイさっぱり!いよいよ組み立てに移ります。


 
 
mas

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