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初見

初めて整備させていただくお客さまのモトグッチで、特に車検やエンジンを下す必要がある整備などで広範囲を見ることになる場合は整備が想定通りに進まず、やたらと時間がかかることがかなり多くあります。
 
ずっと手をかけていないがためにボルトが錆びていたりネジ山を壊したままだったりして、外したり修正するのに時間がかかる。前に整備された方がボルトのネジ部にスレッドコンパウンドやモリブデンスプレーを、せめて防錆潤滑剤でもシュッとスプレーしておいてさえくれたら防げることが多いのですが。また、漏れを止めるために、または古いガスケットを使うために、やたらボンドを塗りたくったりしてその掃除に時間がかかる(ちなみにオイル漏れ箇所に上からボンドを塗っても漏れは止まりません)。オプションやETCの配線が雑だったり、整備のために外さなきゃならないパーツにまで配線が貼ってあったり。または汚らしいつぎはぎの配線の整理に時間がかかる。お客さまをお待たせする言い訳で書いてるのではないのですが、こんなことで納期が遅れることがままあります。


valve01.jpg
 

あとは無整備状態が長く続きすぎて深まった損傷の修復もあります。この画像がそのひとつのパターンです。
 
2バルブ、1100ccのモデル。ロッカーアームとバルブステムがそれぞれ偏摩耗しているのがわかります。ロッカーアームとバルブステムに凹みができたままにシックネスゲージ(すき間測定器ですね)でバルブクリアランスを計っても正しい数値は得られません。たまにバラしてロッカーアームとバルブステムの当たる面を平らかに戻す必要があるのです。
 
こういう摩耗のこまめな修復をしていないばかりか、シリンダーヘッドカバーのボルトも固着気味だったので、もしかしたらいままでここを開けてバルブクリアランスを調整したことすら無かったのかもしれません。

 
valve02.jpg
 

結果バルブクリアランスの調整をする前に、ロッカーアームとバルブステムにできた偏摩耗(今回の場合はけっこうな溝と言うべき)を修正するところから始めなければならなくなりました。オイルストーンでコシコシコシコシ溝が消えるまで削るという、とても地道な作業が続きます。
 
こういった無整備放置による損傷や先に書きました様々な手直しがあると既定の作業時間では収まらず、収まらないばかりか倍の時間がかかることもありまして(工賃は既定の作業時間を元に算出されています)、「当社初回整備準備」という請求項目を作ったほうがいいのではないかと悩んでしまいます。
 
ついでにもうひとつ、タペット音を消そうとしてバルブクリアランスを規定値より狭めていく方もいらっしゃいますが、規定値より狭すぎると油膜切れを起こして接触面にピンホールなど損傷を生じさせます。メーカーの規定値を舐めてはいけませんよ。
 
mas

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