ミース・ファン・デル・ローエ

 ミースは近代主義者の建築家で、1930年ドイツ工業デザインのバウハウスの校長に就任。「造形はシンプルな程良い」がモットーで、有名な言葉に「神はディティールに宿る」があります。

 その言葉の意味は、「物の形は『機能』を表現しており、必然性を突き詰めた『機能』はそこに神の意志が働いてるかの様に美しい物だ」と解釈されています。

 普段私たちの暮らしの中で「機能」と「必然性」はその時代の流れによってプライオリティーが変化し続けています。それはモーターサイクルも例外ではありません。しかし現在のV11/スポルト系のエンジンはどうでしょうか。1964年のプロトタイプから36年間、基本設計は大幅に変更せずに、現在も非常に個性的な魅力あるエンジンを作り続けています。そんなエンジンにミースじゃなくても神が宿っていると言いたくなってしまいます。

 縦型Vツインのシンプルなエンジン構成。クランクシャフト→クラッチ→ミッション→タイヤと言うストレートな駆動力の伝わり方。メンテナンス性はもちろんのこと、走行中の挙動をライダーにエモーショナルに伝えるための「機能」と「必然性」を高い次元で作り上げたモーターサイクルに神は宿っています。

text = sato hideo